ダブダブ

2005年5月11日 水産経済新聞

ゴールデンウィークがエビの大きな需要期だと言われていたのも、今は昔。今年の大型連休需要も、市況を活性化するには至らなかったといえそうだ。ブラックタイガーは4月末から低い相場だった流れがそのまま続き、各生産地が次々に水揚げの最盛期に入り、価格はベトナム産がポンド16/20で11ドル前後となっている。
昨年の最安値は、5月最終週に大きく落ち込む形で迎えたが、今年は1ヶ月程度後ろへずれ込みそうだ。動向としても急落するのではなく、6月末ごろまで現状の価格で推移し、その後上げてくるとの見方が有力。
注目を集めている産地、ベトナムの状況としては、天候の不順などを理由に稚エビの投入時期が1ヶ月程度遅れた。さらに、干ばつのため、稚エビが大きく被害を受けた。こうしたことなどにより盛漁期が昨年よりも1ヶ月程度遅くなった。
エビ市況にとって、米国側の動きも見過ごせないが、昨年のアンチダンピング課税騒ぎで輸入超過気味のため買い付けにも勢いがなく、生産地の価格を牽引するほどには至っていない。昨年末のクリスマス需要などで十分に消化しきらず、在庫がダブついているのが大きな要因の一つ。
ブラックタイガーを抜いて養殖エビの生産量として世界1位となったバナメイは中国だけでなく、タイ国やインドネシアベトナムでも大量に生産されている。水揚げのピークはタイ国産が7月頃、中国では8−9月頃と11−12月頃の2回となりそうだ。

たまには米国にも感謝するか...。